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性同一性障害

「自分に戻れた」手術の軌跡 大阪で上映へ

女性として念願のファッション業界で働く中川未悠さん=神戸市中央区で2018年6月15日、梅田麻衣子撮影

 心と体の性が一致しない「性同一性障害」(GID)で、昨年に性別適合手術を受け、戸籍を男性から女性に変更した神戸市の会社員、中川未悠(みゆ)さん(22)の手術までの半年を追ったドキュメンタリー映画「女になる」(田中幸夫監督)が23日、大阪市中央区のドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)で上映される。中川さんは今春、服飾関連会社に就職し、憧れのファッション業界で新たな道を踏み出した。上映後のトークショーにGIDの友人らと参加し、現在の心境を語る。

 「やっと自分に戻れた」。昨年2月、神戸芸術工科大ファッションデザイン学科の3年だった中川さんは、性別適合手術を受けて思った。

 幼い頃から自分の性別に違和感があり、小学高学年になると男子の中で着替えるのが恥ずかしかった。中学生の頃から、親には内緒でメークして外出するようにもなった。高校2年の夏、「女性として生きたい」と泣きながら親に悩みを打ち明けた。両親はショックを受けた様子だったが、ホルモン治療を始めることに同意してくれた。

 アルバイトでコツコツと資金をため、社会人になる前に手術を受けようと決意。「男に生まれた事実は消えない。それならいっそ、女になろうとする過程をポジティブな形で残せたら」と、知り合いだった田中監督に映像化を持ちかけた。

 同じ悩みを共有する神戸市在住のGIDの友人で、高校時代から親交がある三村昌大(まさひろ)さん(23)と、大学で知り合った東(あずま)直樹さん(21)にも出演を依頼。映画は、好きな男性のタイプや、恋愛の悩みを語る3人の「ガールズトーク」で始まる。中川さんをありのままに受け止めるバイト先の店主や大学の教官、家族の思いにも迫った。担当医の許可を得て手術中の様子も撮影している。

 中川さんは「性的少数者を特別な存在だと思ってほしくない。友達と遊んだり恋をしたりする、普通の人間だと知ってほしい」と話す。三村さんは「等身大の姿が描かれ、前向きで明るい気持ちになる映画。GIDへの本当の理解が進めば」と期待。東さんは「出演を機に女性として生きていく勇気をもらえた」と感謝する。

 ファッションへの関心が強く、「自分らしい服を着ていると気持ちが明るくなる」と話す中川さんは今春大学を卒業。神戸市内の服飾店で、おしゃれな洋服に身を包み、接客の仕事をする日々だ。就職活動で「以前は男でした」と打ち明けると、驚かれたものの、「気にしないよ」と受け入れてもらえた。夢に向かい、一人の女性として前向きに生きる姿が、同じような悩みを抱える人たちに勇気を与えられたらと願っている。

 上映は午後2時から。三村さんと東さんもトークショーに出演予定。入場料は前売り一般2000円、学生1600円(いずれも当日300円増)。問い合わせは「つながりカフェ」(event@tsunagary.jp)。【村瀬優子】

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