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英月の極楽シネマ

ワンダー 君は太陽(2017年、米) 誰だって世界を照らす光

 10歳の少年オギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は遺伝子の病気で、目が斜めに垂れ下がるなど特異な外見で生まれました。そのせいで学校でもからかわれ、いじめられます。この映画は、そんな可哀そうな少年が頑張って友情を手に入れ幸せになるという話、ではありません。

     オギーの姉ビア(イザベラ・ビドビッチ)は、両親(ジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソン)の心配を一身に受ける弟の陰で「世界一手のかからない子」であることを求められ続けます。「私を見て!」という叫びを抱える彼女も可哀そう。同じように登場人物それぞれが問題を抱え、ある意味みんな可哀そうな存在です。自分が世界の中心でいたい! 自分の思い通りに物事が進んでほしい! そんなワガママな、そしてモノの道理に合わないことを願っているのだと気付いていないことが、実は可哀そうなのです。人は姿形、置かれた環境によって可哀そうになるのではありません。

     自分は可哀そうだと思い、家族や周りからもそうだと思われていたオギーはいつも世界の中心でした。彼は太陽だったのです。しかしある事件が起き、ビアは彼に「あなただけが特別じゃない」と言います。自分以外も、みんなそれぞれが太陽だということ。みんなが特別で、お互いに照らし照らされている事実に気付いた彼は、変わります。照らすとは、優しさです。他者に対して、そして自分自身に対しても。優しさが人生を変える力を持つことを、改めて知らされました。

     TOHOシネマズ梅田ほかで公開中。(真宗佛光寺派・大行寺住職)

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