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てんぐ巣病被害

大分から無くなるかも 桜の名所危機 日田のNPO調査、警鐘鳴らす 25カ所は回復困難「激害地」 /大分

 大分から桜の名所が無くなるかもしれない--。日田市のNPO「森と海の共生・ネットワーク」(諌本信義会長)が、県内の名所65カ所を調査し、9割超の60カ所で植物の病害「てんぐ巣病」の被害を確認した。そのうち4割にあたる25カ所は回復が難しく手遅れ状態と判断される「激害地」とされるなど、被害状況は深刻。ネットワークは「何もしないで放っておけば蔓延し、次々に枯れてしまう」と警鐘を鳴らしている。【尾形有菜】

     てんぐ巣病は伝染病の一種。感染すると、枝が湾曲になるなど奇形となったり、葉が小さく色が薄くなったりするほか、花もあまり咲かなくなる。さらに放置すれば木は枯れてしまう。国内の桜の7割以上とされるソメイヨシノがかかりやすい病気といい、ネットワークによると、全国で被害が多発しているという。

     団体は昨年11月~今年2月に名所を巡り、1カ所につき20本を確認。被害の深刻度について、▽回復困難で手遅れ状態の激害地「AA」▽適切な管理をすれば回復可能な中害地「A」▽軽微な被害がある微害地「B」▽被害が全くない健全地「C」--と4段階で区分した。

     その結果、AAが25カ所、Aが19カ所、Bが16カ所、Cが5カ所となり、最も被害が深刻なAAは国東半島や豊後大野市などで多かった。AAは、1本につき3カ所以上に大きな病巣がある「激害木」が植栽地の半分以上にみられる場合。きちんと管理しても回復に時間がかかるうえ、回復に成功したとしても規模の縮小は避けられないという。

     ネットワークは「てんぐ巣病に特効薬は無く、病気にかかった枝を切ることが最も効果的だ」と強調する。感染を完全に防ぐことはできないが、罹患(りかん)部分が広がる前に切れば被害は最小限に抑えられる。管理が行き届いていないところや、剪定(せんてい)しにくい道路沿いなども深刻化しやすい。また、切った枝は、病原菌が胞子を飛ばさないよう燃やす必要があるという。

     諌本会長は「被害は想像以上で、適切な管理をしていなかったことが原因。多くの人に病気のことを周知してもらい、地域の桜を地域で守ってほしい」と話している。


     <県内の桜の名所の被害状況>

    【激害地(AA)25カ所】

    中津市=耶馬渓ダム▽日田市=三和スポーツ広場、伏木公園▽佐伯市=城山公園、仙崎公園、大中尾公園、蔵小野公園▽臼杵市=吉四六ランド▽津久見市=青江ダム▽竹田市=岡城址▽豊後高田市=並石ダム▽杵築市=甲尾山公園、県道31号山香・国見線の今畑集落▽宇佐市=仙の岩▽豊後大野市=農業大学校、内山観音、御嶽山桜ロード、稲積キャンプ場、師田原ダム公園、白鹿山▽国東市=オレンジロード、行入ダム、安岐ダム▽日出町=黒岩公園▽玖珠町=JR北山田駅

    【中害地(A)=19カ所】

    大分市=高尾山自然公園▽別府市=志高湖、別府ラクテンチ、城島高原、鶴見岳山麓▽中津市=八面山入り口▽日田市=田の原公園、下筌公園▽津久見市=宗麟公園▽杵築市=大分農業文化公園、城山公園▽宇佐市=宇佐神宮、風土記の丘、鷹栖観音、家族旅行村▽由布市=口の原ふれあい広場▽国東市=割石地蔵尊▽日出町=ハーモニーランド、城下公園

    【微害地(B)16カ所】

    大分市=上野墓地公園、県護国神社、関崎海星館▽別府市=別府公園▽中津市=大貞公園、中津北公園▽日田市=亀山公園、鏡坂公園、萩尾公園、三隈川公園、月隈公園▽臼杵市=臼杵公園▽宇佐市=宇佐神宮前の国道▽豊後高田市=長崎鼻▽日出町=スパ&リゾートホテルソラージュ▽玖珠町=三島公園

    【健全地(C)5カ所】

    大分市=大分城址公園、平和市民公園▽津久見市=大友公園▽豊後高田市=粟島公園▽宇佐市=桜づつみ公園

     ※森と海の共生・ネットワーク調べ

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