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社説

憲法改正の国民投票 賛否の運動ルール整備を

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 延長国会では憲法改正手続きの国民投票法改正も焦点になっている。

 公職選挙法は、大型デパートなどの共通投票所の設置や期日前投票の理由や時間を広げるといった投票しやすくする改正が行われてきた。

 参政権の一つである国民投票には、まだそれが反映されていない。与党は今国会で、改正公選法に準じた国民投票法改正を提案し、野党に共同提出を呼びかけている。

 そうした環境整備を進めるのは当然だが、国民投票を巡っては別の重要な論点もある。その一つが、現在は制約がないに等しい投票運動のルールや広報宣伝のあり方に一定の仕組みを設けるという課題だ。

 2015年の大阪都構想住民投票は、当時の橋下徹大阪市長が「憲法改正の予行演習」と位置づけ、戸別訪問の禁止などを除けば国民投票運動とほぼ同じ規制で行われた。

 推進派は約1カ月で数億円をつぎ込み、橋下氏のテレビCMを精力的に放送。冷静な議論より資金力がものをいう懸念が広く共有された。

 英国が欧州連合(EU)離脱を決めた16年の国民投票では「離脱すれば予算が週3億5000万ポンド浮く」と書かれた広報バスが離脱運動の象徴となったが、数字はウソだった。

 改憲の国民投票は、最高法規の賛否を問う民主主義の土台作りである。公職の選挙以上に、自由と公正が担保されなければならない。

 ところが現行法の規定は、組織的買収でなければ罰せられないなどかなり野放しで、特定のイデオロギーや力の強い政治運動にゆがめられてしまう恐れもなしとはしない。

 運動資金に上限を設けるなど、表現の自由や知る権利に目配りした何らかの制度や規範が求められる。

 改憲案は国会で熟議を尽くし、与野党協調による発議が望ましいが、安倍晋三首相は与野党対決型の改憲も辞さない構えのようだ。ネットでの批判やイメージ宣伝が飛び交う事態も想定した対策が不可欠だ。

 さらに、投票結果の正当性を保証するために最低投票率を導入すべきか、衆参両院議員各10人で構成し国民投票を運営する広報協議会の事務局体制作りなど課題は少なくない。

 皆が納得できる国民投票を実施するには、改憲論議と並行して手続きを改良していく努力が欠かせない。

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