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夏の強い日差しが照りつける中、沖縄は23日、「慰霊の日」を迎え、鎮魂の祈りに包まれた。壮絶な地上戦の末、沖縄戦最後の激戦地となった沖縄県糸満市の平和祈念公園や慰霊碑には早朝から多くの人が訪れ、犠牲者を悼んだ。73年がたっても癒えぬ肉親を亡くした悲しみ。平和を希求する若者の願い。それぞれが戦禍に思いをはせ、非戦を誓った。
顔も覚えていない。戦時中の混乱のためか戸籍に名前も残されていなかった。沖縄戦のさなか、毎日おんぶしていた赤ん坊の妹は泣き声すら発せず、力尽きた。その妹の名前が戦後73年の今年、戦没者の名前を刻む「平和の礎(いしじ)」(糸満市摩文仁)に追加刻銘された。沖縄県読谷(よみたん)村の国吉園(その)さん(83)は23日、妹の名前をぬぐい、「73年も放っておいてごめんね」と涙ながらに語りかけた。
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