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三浦雅士・評 『馬・車輪・言語 上・下…』=デイヴィッド・W・アンソニー著、東郷えりか・訳

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 ◆『馬・車輪・言語 上・下 文明はどこで誕生したのか』(筑摩書房・上巻3132円、下巻3240円)

配慮行き届く良書だが主張は十分過激

 かつて司馬遼太郎が「空軍というのは軽騎兵の延長上にある」と書いているのを読んで目から鱗(うろこ)が落ちる思いだったが、本書を読み終えてのいちばんの感想は、司馬に読ませたかった、である。

 舞台はユーラシア平原の西の果て、黒海、カスピ海の北方に広がるいわゆるポントス・カスピ海ステップ。いかにも司馬好みの場所だが、本書の著者はそこが印欧祖語の原郷であり、騎乗の発生地、さらには二輪戦車いわゆるチャリオットの発明された地でもあると主張するのだ。メソポタミアに先んじる、と。

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