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今週の本棚

加藤陽子・評 『戊辰戦争の新視点 上・下』=奈倉哲三ほか編

 (吉川弘文館・各2376円)

 今年2018年がどのような年として記憶されるのかは、人それぞれに違ってこよう。ただ、百年単位で歴史の画期を捉える「周年」の考え方をとれば候補は限られてきそうだ。例えば、今年が第一次大戦終結から百年だと意識される時、そこには、大戦を今の地点で回顧したらどうなるかという関心が内包されているように思う。欧州の国際秩序を一変させ、長きにわたった総力戦は、なぜ始まってしまったのか。これは百年にふさわしい問いだろう。

 現在では概(おおむ)ね次のように説明される。まず、経済の緊密な国際分業が、欧州各国の民衆を「繁栄の中の苦難」に陥れた。ならばとて、民衆の不満は、自国の財政出動と政治変革要求へと向かう。だが、財政と体制二つながらの変革を恐怖した各国為政者は、自国の内政の苦難の理由を、外国の政策の悪意に帰し、民衆の不満を排外へと誘導した。経済のグローバル化・新自由主義が蔓延(まんえん)する現在、周年での回顧には意味…

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