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長妻昭氏/下 「死を見つめる心」 「死生観」考える好著

長妻昭氏=手塚耕一郎撮影

 高齢化の進展で日本はこれから、4000人超の人が毎日亡くなる「多死社会」となる。一方で今の日本は死が隔離され、これまでで一番、死が身近でない状態ではないだろうか。死の恐怖のあまり、患者さんが適切な治療を受け入れなかったりするトラブルが起きている。あまり表に出ていないが、大きな問題だ。

 厚生労働相時代は、終末期医療の設備の不備など物質的側面に関心があった。その後、いろんな人と話す中で「日本が決定的に他の先進国と違うのは、クオリティー・オブ・デス(死の質)の低さだ」と認識した。そこで末期がんを患った方の手記や、死に直面した方の本を何十冊と読む中で、この本と出会った。

 著者の岸本英夫さんは宗教学者だった。宗教は死の恐怖と折り合いを付けるのを助ける役割を果たしてきた。その宗教を「外側に立って研究」していた岸本さんが、突然がん宣告を受ける。その心の動きを克明に記録した本だ。

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