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余録

いま「陸王」といえば池井戸潤さんの小説の…

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 いま「陸王」といえば池井戸潤(いけいど・じゅん)さんの小説のランニングシューズと思うのが普通だろう。だが年配の世代にはオートバイを思い出す方もいる。そのブランド名「陸王」は戦前の1936年に生まれた▲戦前日本のオートバイ市場は米ハーレーダビッドソンの独り勝ちで、その旧型車の工場設備を買い取り、国産化したのが「陸王」だった。陸軍や警察が続々と導入したのも、ハーレー独特の威圧感が軍人らに好まれたからといわれる▲ハーレー社と日本の因縁は80年代の日米貿易摩擦でも浮上した。日本メーカーの進出で同社が窮地に陥り、レーガン政権が一定以上の輸入に高額関税をかけたのだ。トランプ米大統領の頭には当時の記憶が刻み込まれていたらしい▲就任当初、ハーレー社幹部を招き、自国の雇用確保をアピールしたトランプ氏だった。その大統領が仕掛けた欧州連合(EU)との「貿易戦争」のさなか、同社はEUの追加関税回避のために欧州向け生産を米国外に移すと発表した▲トランプ氏は「ハーレー社が白旗を振るとは驚きだ」と“裏切り”を批判したが、「耐えろ!」といわれても同社も困ろう。大統領が導入した輸入関税で原材料が高騰したところに、製品へ報復関税がかかってきては商売にならない▲入り組んだ相互依存のネットワークを関税の壁で分断するトランプ氏の「貿易戦争」だ。大統領には交渉の自信があろうと、企業がつき合っていたら身の破滅である。「勝者なき戦争」の愚を示した米陸王の選択だ。

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