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日々是・感劇

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最後のギリギリまで

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 「人生は近くで見ると悲劇、遠くから見ると喜劇」と言ったのはチャプリンだが、自分や家族の老いや死を引いて見るのは、たやすいことではない。けれど、最期の最期までどう生きるか。考えることは避けて通れない。

 重い問いを老夫婦の姿を通して投げかけたのが昴公演「冬 Winter」(1~17日、Pit昴、クローディア・アレン作、吉原豊司訳、小笠原響演出)だ。舞台は米ミシガン州の田舎町。ミリアム(小沢寿美恵)は、脳卒中で下半身不随になり車椅子生活を送る夫マーク(伊藤和晃)を介護しているが、そこに夫の元恋人が訪ねてくる。夫婦の冷ややかながら、滑稽(こっけい)な会話に、老老介護の厳しい現実が映し出された。

 青年座公演「安楽病棟」(7月1日まで上演中、下北沢・本多劇場、帚木蓬生原作、シライケイタ脚本、磯村純演出)は、安楽死問題に正面から向き合う。軽度から重度までの認知症のお年寄りが入院する病院で急死が相次ぐ。不審に思った看護師城野(小暮智美)が真相の究明へ動く。安楽死を巡る世界の状況など論点を明快に整理しつつ、シライの気骨と優しいまなざしにあふれた脚本に深い余韻がある。20代から80代までの座組みは…

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