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余録

心理学に「武器効果」という用語がある…

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 心理学に「武器効果」という用語がある。胸にわだかまるイライラや欲求不満が、時に他人への攻撃衝動に変わることがあるのは人の悲しい一面である。それを結びつけるものの一つが「武器」の存在という▲ストレスを与えられた人に銃を見せると攻撃的になるという心理実験があるそうだ。銃などの武器が人の心にひそむ攻撃のイメージや記憶を呼び覚まし、欲求不満などによる怒りを攻撃衝動へと結びつけてしまうのだといわれている▲ではこの事件の容疑者の男を警官の拳銃の強奪に走らせたのはどんな心の動きだったのだろう。「まじめ」「内気」という評判だった21歳の元自衛官に、何度も刃物を振るわせ、拳銃の引き金を引かせた正体不明の攻撃性の魔だった▲富山市の交番で警官が刃物で襲われて亡くなり、奪われた拳銃で近くの小学校の警備員が射殺された事件である。ことのいきさつを聞いた人誰もが感じたのは、もしもこれが児童らの下校時間中に起きていたら……という恐怖だろう▲警官の拳銃が犯罪抑止に効果があるとしても、それを見て奪取を企てる連中のいることはその種事件の後を絶たないのが示している。この事件で警察は奪われにくいホルスター(銃入れ)の装備計画を繰り上げるよう検討するという▲凶器としての拳銃と人命を脅かす悪意とを決して結びつけてはならぬこの社会である。ことの真相を解明して教訓を生かすのが、市民の安全を守る職務のさなかに命を奪われたお二人の霊を慰める道だろう。

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