会員限定有料記事 毎日新聞
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本県)が世界文化遺産に登録される見通しとなり、話題を呼んでいる。改めて隠れキリシタンを題材に信仰と疑念の相克を掘り下げた遠藤周作の小説「沈黙」が思い浮かぶ。その遠藤が1955年に芥川賞を受賞した「白い人」、同じ年に発表した「黄色い人」は、遠藤が12歳の時に洗礼を受け、通ったカトリック夙川(しゅくがわ)教会(兵庫県西宮市)での体験が基になっている。キリスト教世界を描く遠藤文学の原点ともいわれる、教会を訪ねた。【御園生枝里】
教会の正面は、薄ピンクの壁にバラ窓のステンドグラスが華やかに映え、温かみを感じる。遠藤は、高さ33メートルの鐘楼を子どもの頃に登っていたずらをした、とエッセーにつづっている。扉を開けると、「ギイー」という音が、アーチ状の天井に響きわたった。正面には守護聖人の聖テレジア像が、両脇にはステンドグラスがある。右側には、聖テレジアと和服と洋服を着た子どもたちが描かれる。教会の洋風の装いの中で、和服姿が印…
この記事は有料記事です。
残り1109文字(全文1548文字)
毎時01分更新
菅義偉首相の言葉が相変わらず響いてこない。新型コロナウイル…
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「巣ごもり」需要の高まり…
1月22日に発効する核兵器禁止条約について、アニメーション…