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今週の本棚

堀江敏幸・評 『やまのかいしゃ』=スズキコージ・作、かたやまけん・絵

 (福音館書店・1620円)

あるはずのない光景生み出す

 文と絵。どちらも達人のなせる仕事だが、ここではスズキコージが言葉を、かたやまけん(片山健)が絵を担当し、読み手の心に及ぶ影響を数倍にしてみせた。絵本という枠に収まらない一書である。初出は『母の友』一九八六年九月号。三十年以上前の世界が、いまも鮮度と衝撃をたもってこちらに迫る。ただし、私が『やまのかいしゃ』に本当の意味で出会ったのは、一九九一年に架空社という存在するのかしないのかわからない、つまりはまことに好もしい名の出版社から出た版で、刊行後二、三年すぎた頃だった。

 描かれていたのは、当時の、そしていまの私の頭のなかにひろがる現実そのものだ。あまりに切実な話だった…

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