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大飯原発

住民側の請求棄却 高裁支部が1審取り消し

大飯原発の4号機(左)と3号機=小出洋平撮影

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを周辺住民らが求めた訴訟の控訴審で、名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)は4日午後、差し止めを命じた2014年5月の1審福井地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却した。東京電力福島第1原発事故以降に起こされた運転差し止め訴訟で、高裁判決は初めて。

 1審判決は憲法上、生命を守り生活を維持する人格権が全てに優先すると位置づけ、「具体的な危険性が万が一でもあるかが、差し止め判断の対象となる」と断じた。その上で、大飯原発の安全技術や設備について「冷却や放射性物質の閉じ込めに欠陥がある脆弱(ぜいじゃく)なものだ」と厳しく指摘した。

 各地の原発で05年以降、耐震設計で想定する最大の揺れ「基準地震動」を超える地震が5回観測されたとし、「地震という自然の前における人間の能力の限界を示している」と言及。基準地震動については「学術的に解決すべきもので、裁判所が判断する必要はない」としていた。

 これに対し、被告の関電側は「科学的、専門技術的な知見を踏まえずに、裁判所が独自に判断したものにすぎない」と控訴した。

 控訴審では、元原子力規制委員長代理の島崎邦彦・東京大名誉教授が住民側の証人に立ち、「基準地震動の算出のために関電が使った計算式は、揺れの想定を過小評価している」と証言。関電側は「計算式は多くの研究者らによる検証で確認されている。原子力規制委も基準地震動を見直す必要がないと結論づけている」などと反論していた。

 差し止め判決は確定しなければ運転が可能。大飯原発3、4号機は、福島事故後に策定された新規制基準に適合すると認められ、今春に再稼働している。【岩壁峻】

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