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Interview

井関佐和子 不惑の年「新たな挑戦」 アンドロイドの看護師役

 金森穣が芸術監督を務める舞踊団「Noism(ノイズム)」の新作が、本拠・りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館で6日に開幕する。タイトルは「Romeo(ロミオ)&Juliets(ジュリエッツ)」。「世界一有名なカップル」だが、女性は複数形となり、5人のダンサーが配される。団の看板で副芸術監督も務める井関佐和子の役は、ロザライン。シェークスピアの原作ではジュリエットのいとこで悲劇の遠因ながら、表舞台から消えていく。ノイズム創立から15年目にして初の「表題役以外」だが、金森版ロザラインは「物語の鍵を握るキーパーソンの一人」と井関。不惑の年に与えられた「新たな挑戦」と意気込んでいる。

         ■   ■

     ダンスシーンに物語を取り戻すべく、2010年に始動した「劇的舞踊シリーズ」の第4弾だ。「ロミオとジュリエット」は世界中で愛されてきたせりふ劇であり、プロコフィエフ作曲によるバレエの名作も先行する。その融合は金森が長年温めていた企画と、井関は言う。

     出演者はノイズムの11人に、静岡県舞台芸術センター(SPAC( スパック ))所属の俳優8人。シェークスピアの名せりふ(河合祥一郎訳)が曲に当てて歌うように語られ、ダンサーの身体表現と拮抗(きっこう)する。

     「若い恋人たちの背後に、対立する2勢力がある。語りチームと踊りチームに分ける案もありましたが、二元論では意外に面白みがない。結局、両陣営に俳優とダンサーが入り乱れる形に収まりました」。ロミオはスパックの武石守正が演じ、ジュリエット役は浅海侑加らノイズムの5人。「冗舌なロミオに、ジュリエットたちは言葉を返せません。そのもどかしさがおのずと、人間同士の隔たりを描きます。ヒロインが5人いるのは、女性の多面性の表現なのか、複数の相手を一つの人格に統合しているのか。さまざまな解釈ができ、劇的舞踊の中では象徴性の強い作品と言えそうです」

     著名作品に新たな物語を上書きするのも、シリーズの特徴だ。今回は舞台を病院に設定。ロザラインは看護師で、しかもアンドロイドという奇抜な役どころに。「感情を出さず、ただ存在する。でも秘めた思いはあり、最後にどんでん返しが起きます」。元来は雄弁な身体の持ち主である上に「甘美な旋律に酔いしれたくもなる」が、それらを封じた先に秘すればこその花が咲くのだろう。

     金森自身もキーパーソンの一人である医師ロレンス(原作では恋人たちを助ける僧)役で出演。踊りと語りのせめぎ合いから、現代社会の病理が浮かび上がる。

          ■   ■

     新潟公演は8日までの3日間。14日に富山オーバード・ホール▽21、22日に静岡芸術劇場▽9月14~16日に彩の国さいたま芸術劇場--を巡演する。シリーズ前作「ラ・バヤデール」は11月、ロシアでの上演が決まった。【斉藤希史子】

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