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鳥獣被害

野生猿にGPS 行動を"見える化"宮崎で実験

今年2月にGPS搭載の首輪が取り付けられたメスのサル=宮崎県提供

 野生の猿による農作物被害を減らすため、宮崎県はGPS(全地球測位システム)で群れの位置を特定し、行動パターンを把握するシステムの実証実験を進めている。群れがいつ、どこに現れるかデータから予測できれば、効率的な対策を取って猿を殺すことなく山に返すことができる。担当者は「人間と猿が共存するため行動を『見える化』し、住民と協力して被害を防ぎたい」と話す。【黒澤敬太郎】

     農林水産省によると、猿による2016年度の農作物被害は全国6番目の5431万円で、1600万円台の熊本、鹿児島両県の3倍超。九州の被害総額の46%を占める。

     宮崎は他県より猿が多いとみられ、県は地域住民と一体で追い払いや餌になる作物の除去、防護柵の設置などを続けてきた。そのかいあってピーク時の12年度(8047万円)からは減少しているが、精神的ダメージから営農意欲が減退する被害農家は少なくない。

     芋焼酎の原料のサツマイモやかんきつ類など県の主力作物に被害が広がる恐れもある。担当者は「猿は高い所に登れるため防護柵では効果が薄く、人間に近い生き物なので駆除することに抵抗がある狩猟者も多い」と対策の難しさを語る。

     そこで、県は約35万円かけてGPSの位置把握システムを導入。今年2月、猿の目撃が相次いでいた同県日南市鵜戸(うど)地区で、わなで捕らえた雌にGPS付きの首輪を取り付けた。

     システムはGPSから現在地の緯度・経度が発信され、どこにいるかパソコンの地図上に映し出される。猿は収穫されないまま放置された農作物などを狙って繰り返し出没する習性があるため、データを蓄積すれば不用意に猿を呼び込んでしまう「集落の弱点」も浮き彫りになる。

     これまでの分析から猿の群れは集落から半径約2・5キロの範囲を動いていることが判明。県はデータを地区住民や農家に提供し、放置作物の除去など共同で対策を検討する。

     県は来年度も鵜戸地区での実証実験を続け、効果が上がれば他地域にも取り組みを広げる予定。県の担当者は「猿を人里に寄せ付けないため地域の方々と一緒に考え、意識向上につなげたい」と話している。

    熊本、宮崎、鹿児島3県の鳥獣被害

     2016年度の鳥獣被害額は熊本が4億9955万円、宮崎が3億7053万円、鹿児島が4億65万円。鳥獣別では3県いずれもイノシシが最多で熊本は2億7241万円、宮崎は1億3148万円、鹿児島は1億4477万円。猿の被害は3県ともイノシシや鹿などに次いでいる。

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