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インバウンド・聖地巡礼

/7 アニメの世界/上 素顔の日本も観察 /東京

 東京・四谷の住宅街にある須賀神社は、今やアニメファンなら知らない人はいないほどの「聖地」だ。境内にある絵馬には、いろんな国の言葉が並ぶ。

    「〓的名字 〓(聖)地巡礼記念」

    「I wish for a good and healthy life」

     2016年夏にアニメ映画「君の名は。」が公開されて以来、日本だけでなく、海外からも多くのインバウンド(訪日外国人)が訪れるようになった。

     映画の最後で、成長した主人公の瀧(たき)と三葉(みつは)が境内の階段ですれ違うシーンは、国籍、性別、世代を超えてキュンとなる。いろんな人がひっきりなしに訪れて、記念撮影してゆく。

     「GPSがあるから迷わずに来れた! ワタシ、ニホンゴ、スコシ、ハナセマス」

     地中海に浮かぶスペインの観光地・イビサ島から来たダビット・リバスさん(37)は、憧れの「聖地」を訪れ、感動さめやらぬ笑顔で話してくれた。

     「ドラゴンボールとらんま1/2。ムーチョ(大変)ダイスキ!」

     お互いが知っている日本語とスペイン語の単語と、英語を交ぜて進んだ会話は、途中から彼が取り出したスマホの翻訳機能によって、一段と充実した。最近の翻訳機能の進化は驚くばかりで、言葉の壁が低くなる。

     子どものころから日本のアニメを見て育ったという彼は、大の日本好き。日本語も勉強中だ。3年前に初めて3人の妹と来日し、関西や名古屋を回った。3回目の今回は、東京だけで10日間、浅草を拠点に堪能中だ。

     「君の名は。」はブルーレイで2回見て、どこに「聖地」があるかも確認。お台場では新しくなったユニコーンガンダムの姿を収めた。手には、いとこのお土産に買ったドラゴンボールとハイキュー!!のフィギュア。妹たちには浅草でかわいいお守りを買った。「これから秋葉原に行きます。新しいフィギュアが出てるかも」

     一方で、素顔の日本の観察も欠かさない。本業はスーパーの店長。お気に入りという南千住かいわいを散策した。「静かないい町。日本のスーパーは品ぞろえが豊か。24時間のコンビニも。特にツナマヨのおにぎりとメロンパンは最高ね」

     今回、あえて梅雨時期に合わせたのも「スペインは雨が少ないから珍しい。ちょっと怖いけど雷もいいね。また違う季節に来て、新しい聖地とフィギュアを見つけたい」。

     もともと「聖地巡礼」は、キリスト教やイスラム教などの敬虔(けいけん)な信者が遠く離れた聖地を回ることが原意で、スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」は世界遺産にもなっている。だが、インバウンドにとっては今や、アニメの聖地を巡ることこそが「聖地巡礼」なのらしい。【森忠彦】=隔週金曜日掲載

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