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余録

「関節」と聞いてもひじやひざしか浮かばないが…

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 「関節」と聞いてもひじやひざしか浮かばないが、昔の中国では賄賂を贈って頼むという意味があった。唐代、科挙(かきょ)(官吏登用試験)の試験官が縁故ある受験者の答案に印をつける不正から生まれた言葉だという▲唐代の科挙でこの手の疑惑はあとを絶たず、試験やり直しがしばしばあった。なかには役人の不正を取り締まる御史台(ぎょしだい)が摘発に乗り出し、試験官らが処罰され、すべての合格が取り消される事件もあった(村上哲見(むらかみ・てつみ)著「科挙の話」)▲こちらの関節は今の日本、それも文部科学省の局長が大学からの依頼に応えた見返りに、わが子の入試の点を水増しさせた疑惑である。肩書も容疑内容も、世人の耳を疑わせた科学技術・学術政策局長の受託収賄容疑での逮捕だった▲これが小説だったら、あまりにもお手軽で芸のないベタなストーリーと酷評を浴びそうな文科省幹部と大学との「取引」だ。ただ中央省庁の役人の自負や誇りがどこへ行ったか心配になる話は、こればかりでない最近の霞が関である▲日本の文教行政の頂点で大学入試不正が仕組まれては、受験生には神も仏もない話だろう。容疑が事実なら、この局長はわが子に負わせる十字架の重さに考えが及ばなかったのか。それを後悔せぬ日がこの先来るとはとても思えない▲捜査にあたる東京地検は贈賄側を在宅で調べるというが、入試不正のからくりはとことん解明してもらわねばならない。過去・現在・未来のあらゆる受験生が息をのんで見つめる「関節」の実相である。

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