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中国・上海から米国に向けたコンテナ=ロイター

 世界経済をリードしてきた米国と、台頭著しい中国。貿易摩擦を深刻化させていた両国は互いに高関税をかけ合った。7月6日は世界経済に負の歴史として刻印されるだろう。

     今回の事態が深刻なのは、当事者が世界1、2位の経済大国という点にとどまらない。危機の核心は世界が長い年月をかけて築き上げてきた自由貿易体制が危機を迎えた点にある。

     1929年、米ウォール街の株価大暴落をきっかけに始まった世界恐慌を受け、景気低迷におののいた各国は自国産業保護に躍起になった。関税を引き上げ、自国通貨を切り下げ、輸入制限を課し、それが相手国の報復を招いた。

     保護主義の連鎖が経済の混乱に拍車をかけ、第二次世界大戦を誘発する一因ともなった。戦後間もない48年、各国が関税貿易一般協定(GATT)を作り、自由貿易のルール作りに着手したのはこの反省からだ。

     しかし、トランプ米大統領が仕掛ける通商強硬策は国内法に基づく一方的な内容であり、世界恐慌後にまん延した保護主義の手法そのものだ。GATTを引き継いだ世界貿易機関(WTO)からの米国脱退が取りざたされるほど、トランプ氏の自由貿易軽視は甚だしい。

     一方、中国は2001年のWTO加盟後、最も自由貿易の恩恵を享受してきた存在といえるだろう。しかし、閉鎖的な国内市場や自国産業保護の姿勢は相変わらずで、いまも国際社会の強い非難を浴びている。

     制裁合戦に突入した米中の通商問題をWTOルールに基づき解決し、自由貿易体制を堅持することができるか。前世紀は「戦争」阻止に失敗した世界の知恵と覚悟が問われている。【北京・赤間清広、ワシントン清水憲司】

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