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海部宣男・評 『化石が語る生命の歴史…』ドナルド・R・プロセロ著、江口あとか訳

 ◆『化石が語る生命の歴史 全3巻』

 (築地書館・1944円~2376円)

 チャールズ・ダーウィンの『種の起源』が出てから、来年で一六〇年になる。「適者生存」を基本原理とするダーウィン進化論の評価は高まるばかりだ。現代の進化学者はしばしば、ダーウィンが進化についていかに深く、広く考えていたかを語る。

 人類のアフリカ起源も、ダーウィンの洞察がここ半世紀で確証されてきたもの。彼は当初、人類の進化についてはごく慎重に書いている。人類を最高の存在と見る風潮が圧倒的だったからで、神が人間をそのように作ったというキリスト教の主張は、当時のヨーロッパではまだ強固だった。それに、人類の進化を示す化石も見つかっていなかった。最初のネアンデルタール人骨が発見されたのは、『種の起源』発表の三年前である。いまや、状況は全く変わった。本書によれば、古代のヒト族は、ネアンデルタールよりはるかに古いオーストラロピテクスやホモ・ハビリスなど、アフリカを中心に六つの属、一二種以上という盛況だ。

 原著は、「二十五の化石で見る生物の物語:恐れを知らぬ化石ハンターと進化の驚異の話」という欲張ったタイトルの、大部の本である。著者はよく知られたアメリカの古生物学者。和訳を古生代(第一章は原生代)、中生代(恐竜など巨大生物が目玉)、新生代(人類進化は最後の二章に集約)と三巻に分けたのは正解だろう。見通しがよくなったし、文章も読みやすい。カンブリア紀の進化爆発(著者は、そんなものはなかったという)、…

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