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日産

排ガス不正 ごまかし体質 社長、会見に出席せず

新たに排ガス測定の不正が発覚し、謝罪する山内康裕CCO(中央)ら=横浜市で2018年7月9日午後5時3分、玉城達郎撮影

 無資格の従業員が完成車の検査を行う不正が昨年秋に発覚した日産自動車で9日、検査の測定値を書き換えるという新たな不正が発覚した。昨秋以降も別の不正が行われていたことになり、法令順守に対する意識の低さや「ごまかし体質」の根深さが浮き彫りになった格好だ。西川広人社長は同日の記者会見に出席しておらず、説明責任のあり方も含めて経営責任を問われることになりそうだ。【竹地広憲、川口雅浩】

 「原因の深掘りをして問題が起きない仕組みを作るのが第一義的な責任だ」。生産を統括している山内康裕執行役員は横浜市内の本社で行った記者会見で強調した。社長が会見に出席していないことを問われると、「私が(再発防止)対策の責任者なので説明している」と述べるにとどめた。

 新たな不正は、出荷前の新車について燃費や排ガスの数値などを室内で試験する「完成検査」で発覚した。車両をローラー型の測定装置に乗せて走行させる検査で▽規定の速度を逸脱した無効な検査データを有効な数値に書き換えた▽試験室の温度や湿度が許容範囲外でも有効なデータとして処理した--などの内容だ。

 日産は昨年9月、無資格検査を行っていたと発表。国土交通省の検査で判明したものだが、翌月には発覚後も無資格検査を続けていたことまで明らかになった。今回の不正が見つかったのも自社の独自調査ではなく、SUBARU(スバル)が今年4月、検査の測定値を書き換える同様の不正を発表したことがきっかけだ。日産も検査で書き換えがないかを調査したところ、新たな不正が判明し、山内氏は「(今回の事案が)リスクとして明確に上がらなかった」と釈明した。

 今回の不正判明が山内氏に報告されたのは6月19日になってからで、同日まで一部工場で不正が続いていた。自浄能力が問われる深刻な事態で、山内氏は「(問題を)自ら検出できる管理体制に変えていきたい」と強調した。

 これまで日産はカルロス・ゴーン会長が主導する形で販売台数を拡大。2022年にルノー・日産・三菱自動車の3社連合で1400万台以上(17年は1060万台)の世界販売台数を目指す目標も掲げている。ただ、拡大路線の陰で不正がまん延していた格好だ。ゴーン会長は6月26日の定時株主総会で、無資格検査の責任を問う株主の質問に「日産のCEO(最高経営責任者)はあくまで西川。責任を尊重しなければならない」と強弁し、自ら謝罪することはなかった。

 再発防止に臨む同社の姿勢には厳しい目が注がれる。石井啓一国交相は9日、「昨年9月に判明した完成検査問題の再発防止に取り組む中、ごく最近まで続いていた点で問題の深刻さを示すものであり、極めて遺憾だ」とのコメントを出した。

 不正が重ねて発覚したスバルでは、吉永泰之・前社長兼CEO=現会長=がCEO職の退任を迫られた。日産も自浄能力をどう示すかが問われる。


自動車の検査などを巡る不正の主な経緯

2017年 9月 国交省の抜き打ち検査で日産の無資格検査の不正が発覚。日産は国内販売を一時停止

     10月 日産が約120万台のリコールを国交省に届け出。スバルも無資格検査の不正を発表し、約25万台のリコールを発表

     11月 国交省が日産に立ち入り検査

     12月 スバルが国交省に調査報告書を提出。資格試験の不正も公表。その後、燃費や排ガスデータの書き換え疑惑が浮上

2018年 2月 スバルが資格試験の不正を受け、約2.7万台をリコール

      3月 スバルが経営体制刷新を発表

         国交省が日産に業務改善指示書交付

      4月 スバルが燃費と排ガスデータの書き換え問題で国交省に調査報告書提出

      5月 国交省がスバル本社に立ち入り検査

      6月 スバルが燃費、排ガス測定で新たな不正を公表。吉永社長がCEO職の退任を発表

      7月 日産が排ガスや燃費の測定で新たな不正を公表

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