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西日本豪雨

呉23万人、孤立状態 交通寸断「何もこん」

大雨による断水で、市内の公園に設けられた給水所には水を求める人たちの長い列ができていた=広島県呉市で2018年7月8日、幾島健太郎撮影

 西日本を中心とした豪雨災害で土砂災害が相次いだ広島県呉市は、周辺市町とつながる主要道路の大半や鉄道網が寸断され、中核市の市全体が「孤立状態」となる異常事態に陥っている。市では10日も真夏日が予想されている。給水や物流が滞っており、約23万人の市民生活を脅かしている。

 「水も食料も何もこん。孤立が続けば、みんな干からびてしまう」。10日朝、がれきや流木が今も残る市西部の天応地区。不通となったJR呉線の線路上に設営された給水所で、近くの田辺一郎さん(73)は、空のペットボトル4本を抱えてうつむいた。毎日4、5回足を運ぶが、いつも2時間ほど並ぶ。

 市では約9万世帯で断水が続くが、給水車は交通渋滞などで頻繁に出入りできず、各地の給水所には水を待ち望む住民らが長い列を作っている。

 市によると、広島市に続く国道31号が隣接する坂町の土砂災害で通行止め。高速道路の「広島呉道路」も複数の陥没で寸断され、市北側の熊野町に抜ける県道は往来できるが、交通渋滞が多発している。海沿いのJR呉線も5日から運休している。

 給水の遅れで市内の病院に深刻な影響が出ている。高齢者を中心に104人の入院患者を抱える「済生会呉病院」は1日36トンの水が必要だが、今は半分程度しか供給されていない。トイレの汚水は給水タンクの水で少しずつ処理し、不急の手術や医療器具の洗浄も見合わせている。薬や食料の備蓄はあるが、万田祐一事務部長は「もう限界。とにかく道路の復旧を急いでほしい」と訴える。

 一方、スーパーやコンビニエンスストアの陳列棚の食料や飲料も乏しい。「エブリイ呉宮原店」では7日から、パンや飲料水、総菜、冷凍食品が店頭から消えた。広島市や福山市からの配送が滞り、午前中のみの営業が続く。坂口慎一郎店長(51)は「災害の時こそ困り果てた住民の命綱になりたいが、食料を調達できず悔しい」と嘆いた。【松本紫帆、竹田迅岐、矢追健介】

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