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武田 砂鉄・評『カルピスをつくった男 三島海雲』山川徹・著

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他者を思う気持ちを失うことはなかった

◆『カルピスをつくった男 三島海雲』山川徹・著(小学館/税別1600円)

 かつて、ふかわりょうの一言ネタに「お前んちのカルピス、いつも薄くない?」と呟(つぶや)くものがあった。このネタから辿(たど)れる記憶は各々(おのおの)異なるはず。なぜこれに反応できるかといえば、実に国民の99.7%がカルピスを飲んだことがあるからこそ。

 1919年、つまり約100年前に誕生した日本初となる乳酸菌飲料カルピスは、ひとりの日本人青年・三島海雲が、モンゴルの遊牧民から乳製品を振る舞われた経験から生まれた。モンゴルの地で初めて乳製品を口にした三島は「何だか不老不死の霊薬にでも遭遇したような気もする」とまで記した。

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