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社説

お茶大が出願資格を変更 性的少数者の権利広げた

 お茶の水女子大が2020年4月から、戸籍上の性が男性でも自らを女性と認識するトランスジェンダーの学生を受け入れると発表した。国内の女子大では初めてのことだ。

     同大は、これまで出願資格を戸籍上の女子に限っていた。このため、2年ほど前にトランスジェンダーの受験生からの入学希望を断っている。他方で「心が女性」の人の権利を守る社会的な認知が広がってきたとして、学内で検討を重ねてきた。

     同大は出願資格を「戸籍または性自認が女子」と変更し、委員会を設け認定方法などを検討するという。

     明治期、女子大は女子教育の機会を広げる理念で誕生した。今回は、女性の定義を広げたという点で大きな意義がある。

     体と心の性が一致しないトランスジェンダーに関しては、小中高校で対応が先行していた。

     文部科学省は15年に、トランスジェンダーのひとつである性同一性障害の児童生徒への配慮を各教育委員会に通知した。校内にサポートチームを設けることや心の性と一致した制服の着用、職員トイレの使用などを例示している。翌年には教職員向けの手引も作っている。

     大学などの研究者らで作る日本学術会議も、文科省通知に従って女性と自認する生徒が女子大に進学できなければ「学ぶ権利の侵害になる」と指摘してきた。女子大もいずれ乗り越えなければならない壁だった。

     米国では複数の女子大が入学を認めており、国内でも日本女子大や奈良女子大などが検討中だ。受け入れは確実に広がるだろう。

     もちろん、他の学生との関係や更衣室、トイレなどの施設への配慮は不可欠だ。一方で、部活の参加や寮などをどうするかといった課題もあろう。学生に負荷のかからない対応を検討してほしい。

     トランスジェンダーを含む性的少数者(LGBTなど)への支援や対応は社会で広がりつつある。

     早稲田大はセンターを設け、支援体制を作って相談に応じている。東京都渋谷区など、同性カップルを認める条例も複数の自治体でできた。企業でも相談窓口や治療のための休暇制度を設ける動きがある。

     こうした取り組みの積み重ねが性的少数者への支援を広げていく。

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