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社説

豪雨被災地への支援 ふるさと納税本来の出番

 西日本を襲った豪雨による甚大な被害を受けて「ふるさと納税」をめぐる世界に変化が起きている。

 被災した市町村に対する寄付をほかの自治体が窓口となって受け付け、事務を分担するケースが相次いでいることだ。

 冠水などの被害を受けた岡山県高梁市の場合、交流を続けていた茨城県筑西市が名乗りをあげた。

 ふるさと納税を扱ういくつかのサイトは今回、特設の窓口を設けている。大手サイト「ふるさとチョイス」にはすでに11日夕の段階で被災した自治体に総額約2億4000万円、約1万5000件に及ぶ寄付の申し出があった。

 被災した自治体のほとんどは、深刻な職員不足に直面している。そんな時に、寄付の受け付け業務を他の自治体が代行してくれれば、大きな負担軽減になる。新しい形の自治体間の支援である。

 ふるさと納税は自治体に寄付した金額から2000円を除いた分が、住民税と所得税から控除される。

 この制度をめぐっては賛否両論が交わされてきた。自治体が高額な返礼品を競い合うことで、税収を奪い合っているためだ。

 富裕層が節税対策に利用するなど、自治体を応援する目的とかけ離れたケースが出ている。税制をゆがめかねない状況である。

 だが、被災地を支援するふるさと納税は、返礼品を伴わない。純粋に自治体を応援するという意味では、これこそ、本来の目的に沿った出番である。2016年の「熊本地震」の際には、30億円を超す寄付が集まった。

 被災した人や地域を個人が支援する場合、金銭の寄付は現実的な手段だ。物資などの支援を個人が行うのは難しい。少しでも役に立ちたいと衣類などを送っても、逆に現地に負担をかけるおそれもある。

 災害の際、赤十字や新聞社などが窓口となる義援金は、直接被災者に配分される。これに対し、ふるさと納税の寄付は被災した自治体が復旧、生活支援などにあてる。どちらも大切な支援である。

 寄付文化が日本はなかなか定着しないといわれる。災害支援に多くの人が参加できる手段として、有効に活用されることを望む。

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