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PCデータ復元し「証拠」 京大論文不正調査 検証実験希望応じず

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     京都大iPS細胞研究所の論文不正問題で、同研究所の調査委員会メンバーが毎日新聞の取材に応じ、責任著者のノートパソコンから見つかったデータ改ざんの痕跡が不正認定の決め手となったことを明らかにした。消去されていたデータを復元して見つけたという。

     著者は検証実験を希望したが調査委は応じず、論文自体の精査に徹した。こうした姿勢は結果的に調査期間の短縮や費用削減につながり、今後の研究不正への対応の参考になりそうだ。

     問題の論文(既に撤回)では計11個の図で捏造(ねつぞう)・改ざんが認定され、筆頭著者で責任著者の山水康平助教が3月に懲戒解雇処分を受けた。

     調査委員長を務めた同研究所副所長の斉藤博英教授、委員だった高橋淳教授、山本拓也准教授によると、調査ではまず、論文中の各図表について、実験の実測値である1次データと、それに解析を施した2次データを比較。多くの図で1次と2次のデータ間に齟齬(そご)があり、数値が意図的に操作された疑いが浮かんだ。しかし、誰による操作か明確な証拠がなかった。

     調査委は専門業者に依頼し、元助教専用のノートパソコンの消去されていたデータを復元したところ、改ざんの試行錯誤の跡とみられる複数のデータが見つかった。本人への聞き取り調査ではこうした「1・5次」のデータの存在も提示した結果、元助教は自らが操作したことを認めた。調査は4カ月で終わり、斉藤副所長は「データ復元で初めて検証できた内容もあり、迅速な調査につながった」と振り返る。

     また、調査の過程で元助教は検証実験の実施を求めたが、調査委はその必要を認めず、論文に示されたデータを精査する姿勢を維持した。斉藤副所長は「論文に不正があっても結果が再現できれば問題ないという考え方になってはよくない」と説明する。

     一方、国内の過去の研究不正では、研究者のパソコンを調査できなかった事例が複数ある。2014年に起きたSTAP細胞論文問題でも、論文の筆頭・責任著者が研究で使っていたノートパソコンの提供を調査委が求めたところ、私物であることを理由に提出されなかった。1700万円余りの費用と9カ月半の時間を費やして検証実験も実施された。【須田桃子】

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