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NATO首脳会議

国防費増、一方的に圧力 米、同盟かく乱

 【ブリュッセル高本耕太、八田浩輔】ブリュッセルで開かれていた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が12日閉幕した。11日に採択された共同宣言は、各加盟国が国防費負担を国内総生産(GDP)比で2%以上とする目標の早期達成を確認、同盟の結束を強調した。だが、2日間にわたる会合では、目標の4%への引き上げなどを一方的に主張するトランプ米大統領の奔放な言動に欧州各国が振り回された。

     12日にNATO本部で記者会見したトランプ氏は「2%」の共通目標について「各加盟国が支出増額の意思を示した。支出のペースを速めることを約束した」と表明、「(会議前の)2日前に比べNATOは非常に強力になった」と指摘した。

     共同宣言はロシアによるウクライナ南部クリミア半島の「違法な編入を承認しない」と改めて強調。対ロシアを念頭に、有事に機械化大隊、飛行隊各30部隊と艦艇30隻を30日以内に必要な地域に配備できる体制の整備などでも合意した。一方、軍事・安全保障課題を協議する11日の会議のさなか、トランプ氏はツイッターに「私はブリュッセルにいるが、常に米国の農家のことを考えている」と貿易の話題を投稿した。また「2024年まで」の2%目標達成に向けた意思を確認した共同宣言採択の直後に「今すぐに2%支払え」とツイート。会議の非公開の場では支出目標を現行の倍の4%に引き上げるよう突然各国に要求した。

     各国首脳は12日に防衛予算に関する緊急会合を開催。その後、会見したトランプ氏は「2%目標は短期に達成される」と満足げに語り、就任前に示唆していた米国のNATO離脱については「可能だがその必要はなくなった」と述べた。

     トランプ氏の圧力外交が一定の成果を上げた形だが、NATOが「最大の脅威」と位置づけるロシアのプーチン大統領に対して肯定的な態度を示す一方、同盟国ドイツがロシアからの天然ガス輸入に依存する現状をこき下ろす姿勢には疑問の声も上がる。米MSNBCテレビは「西側諸国の亀裂を広げるため、プーチン氏が送り込んだ工作員のようだ」と警鐘を鳴らした。

    矛先の行方、日本警戒

     日本政府は、同盟国に国防支出の増額を求めるトランプ米大統領の言動に神経をとがらせている。日本の防衛費(当初予算ベース)はGDP比1%弱で推移し、NATOの主要加盟国を大きく下回っており、トランプ氏の「圧力」の矛先が日本に向きかねないとの懸念がくすぶっている。

     トランプ氏がNATO加盟国に国防支出をGDP比4%に引き上げるよう提案したことについて、防衛省幹部は「日本では考えられない数字」と苦笑する。年末に予定する防衛政策の指針「防衛計画の大綱」の改定を見据え、自民党は5月にGDP比2%を参考値に防衛予算を増額するよう提言したが、政府側は「GDPと機械的に結びつけるのは適切ではない」(小野寺五典防衛相)との立場だ。

     トランプ氏は安倍晋三首相との会談で戦闘機など米国製装備品の購入を直接求めたほか、大統領選中には在日米軍の駐留経費の負担増を訴えた経緯がある。日本側は装備品購入を増やしてきた「実績」を盾にいなしてきたが、「いつ圧力が強まってもおかしくない」(防衛省幹部)と警戒している。【秋山信一】

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