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くらしナビ・気象・防災

水害からの家屋復旧 西日本豪雨で浸水

 西日本を中心とした記録的な豪雨では、被災地の多数の家屋が浸水被害を受けた。水害からの家屋の復旧には片付けだけでなく家屋の乾燥や消毒など、さまざまな作業が必要になる。作業の際の注意点などを専門家に聞いた。

     ●時間かかる覚悟

     災害ボランティアの連絡組織「震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)」(本部・名古屋市)は昨年3月、過去の水害での支援活動の経験を生かし、水害後の自宅の復旧手順を記した冊子「水害にあったときに」を発行した。

     震つなは、1995年の阪神大震災以降、各地の災害被災地で活動してきたNPOなど36団体で構成。松山文紀・事務局長によると水害では被災者の生活再建に1カ月から1年以上かかるという。「再建に必要な時間や費用の見通しが立たず不安になるが、時間がかかるものと覚悟し、腹を据えて対応してほしい」と呼びかける。

    けがや熱中症などを防ぐ服装で掃除しよう=震災がつなぐ全国ネットワーク作成「水害にあったときに」より

     冊子はイラストや写真を交え、生活再建の見通しの立て方や家屋の片付け作業など、被災者が取り組むべきことを紹介。自宅の復旧作業では、片付けの前に被害の程度を示すための写真を撮る。外観はなるべく4方向から、どの高さまで浸水したかが分かるように、また室内は安全を確認した上でそれぞれ撮影する。

     写真は罹災(りさい)証明書の発行や保険金請求の際に使える。復旧に向け、家の施工元や借家なら大家、保険会社にも連絡を取る。行政の支援は、被災状況や各自治体で異なるため、確認が必要だ。

     ●掃除は徐々に

     浸水した家の掃除には労力がかかる。ボランティアに手伝ってもらうなどして、徐々に無理せず行いたい。ほこりや砂が舞い、クギや木材で負傷する恐れもある。安全のため頭にはヘルメットや帽子をかぶるかタオルを巻き、マスクをつける。軍手の上にゴム手袋をはめる。肌の露出を防ぐため雨具など長袖、長ズボンを着用し、長靴をはく。クギの踏み抜き防止のための中敷きがあればいい。消毒作業で使うゴーグル、熱中症を予防する保冷剤などもあるといい。

    床下浸水でも確認が必要。掃除して乾燥させることが大切=震災がつなぐ全国ネットワーク作成「水害にあったときに」より

     電力の復旧後、ブレーカーを入れる際には電力会社営業所に問い合わせたほうが安全だ。水道は、水が汚れている場合があるため、蛇口からしばらく水を流してから使う。

     畳やじゅうたん、布団は浸水すると使えないことが多い。棚などの合板の内部や、システムキッチンや洗面台の壁との間にはカビが生えやすいので、注意する。家電や自動車、農機具の再利用は難しい。漏電の危険を考えてエンジンの始動は避け、修理工場に連絡する。

     被災状況によっては再利用できるものもある。エアコンの室外機は点検、修理後に使えることがある。トイレ、風呂釜は電気系統に浸水がなければ可能性がある。ふすまや障子は骨組みを乾かす。食器(陶磁器・プラスチック製)は塩素系漂白剤で消毒して使う。

     ●床下の泥を確認

     住宅の床下に水や泥がたまったままだと、カビや悪臭が発生する可能性がある。床板をはがすなどして床下を見る。構造によっては技術が必要となり、工務店などに任せたほうがいい場合もある。壁の内部の確認も必要だ。床下や壁の断熱材は水を吸収してカビが生えやすく、除去が必要な場合もある。

     泥を取り除いた後は消毒用アルコールや逆性せっけんなどで消毒し、乾燥させる。水害からの建物の復旧には乾燥させることが最も大切だが、1カ月ほどかかる。松山事務局長は「過去の水害では片付けの後で『捨てなければよかった』と悔やむ被災者もいた。ゆっくり考えてもらえたら」と語る。

     冊子の簡略版は震つなのホームページ(http://blog.canpan.info/shintsuna/)から入手できる。【御園生枝里】

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