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ロシアW杯

サッカー 準決勝 クロアチア2-1イングランド 一体クロアチア、初決勝

決勝トーナメント

 <Russia 2018 WorldCup>

     ■準決勝(11日 モスクワ・ルジニキ 7万8011人)

    クロアチア 2 0-1 1 イングランド

    (D組1位)  1-0   (G組2位)

            延長

            0-0

            1-0

    ▽得点者 【ク】ペリシッチ(後23分)マンジュキッチ(延後4分)【イ】トリッピアー(前5分)


     ◆クロアチア

    延長、美しき逆転

     20年ぶりの挑戦で、準決勝の壁をクロアチアが突破した。試合終了の笛を聞いたロブレンとビダは、両膝でピッチを滑るようにしてサポーターが待つゴール裏に駆けつけた。攻撃の柱であるモドリッチはダリッチ監督と肩を組み、腕を観客席に向けて突き上げた。

     一体感がにじむ秀逸なゴールが続いた。後半23分、右クロスに中央のペリシッチが左足を伸ばして当て、同点。延長後半はクロスからのこぼれ球をつなぎ、ゴール左からマンジュキッチが左足で豪快に決めた。終盤に浮足立ち、運動量の落ちたイングランドを尻目に、勝負どころで走り、競り合い、粘り勝ちした。「我々の方が経験のある選手がいるのは事実。勝つ可能性は50%ずつある」。マンジュキッチの宣言通り、脂ののった選手が並ぶクロアチアが、20代主体のイングランドをいなした。

     この日もFKで先制点をつかんだイングランドのように、最近はセットプレーとカウンター攻撃の比重が高まっている。ボールの保持を重視する「ポゼッションサッカー」の終幕さえ語られる大会だ。その中でクロアチアは流れから生まれるゴールの美しさを強調し、時流にあらがうようでもある。

     旧ユーゴスラビアからの独立を受けて1998年大会に初出場し3位となった時は、準決勝でフランスに屈した。モドリッチは「もちろん覚えている。ここまで3試合連続で延長戦を戦ったが何の問題もない。やりかえさなければいけない」。士気高く、初の決勝の舞台に向かう。【大谷津統一】

    ペリシッチ、2得点絡む

    【クロアチア-イングランド】後半、ゴールを決めて喜ぶクロアチアのペリシッチ=ロシア・モスクワのルジニキ競技場で2018年7月11日、長谷川直亮撮影

     クロアチアの決勝への道を切り開く、ペリシッチの1ゴール、1アシストだった。

     後半23分、右のブルサリコからクロスが上がると、中央で何としてでもボールに触ろうと伸ばした左足で合わせ、ゴールをこじ開けた。「1点目が重要だった」とペリシッチ。同点に追いつかれて前に出てきたイングランドは、前半の攻勢が響いて足がとまりだした。

     クロアチアは走り負けず、延長後半にペリシッチがこぼれ球を頭で中央に送ってマンジュキッチの決勝ゴールを演出した。「誰が得点を決めたかは重要でない。クロアチアが初めて決勝に進むことが素晴らしい」とペリシッチは力を込めた。

     イタリア1部リーグ(セリエA)のインテル・ミラノで活躍する29歳にとって、決勝で待ち構えるフランスは特別な相手。クロアチアを飛び出し、初めて所属したのがフランスのソショーだったから。

     「美しい記憶が残っている。ブラジルを破ったベルギーを、フランスは上回った。才能ある選手が多い」。残る力を振り絞り、最後の舞台に挑む。【大谷津統一】

     ◆イングランド

    サッカー母国、また涙

     一つの失点で何もかもが崩れてしまった。押せ押せだった勢いは消え、焦りや不安がイングランドを襲う。優位に進めていた試合は、一瞬にして立場が180度変わった。

     前半5分にトリッピアーの直接FKで先制すると勢いに乗った。相手の度重なるミスにつけ込んでボールを奪っては攻め、スターリングが自慢の快足を生かしカウンターを仕掛けた。

     しかし後半23分。クロアチアがゴール前に入れたボールに対し、ペリシッチの勢いに押されたウォーカーが競り負けて同点に追いつかれた。その後、ストーンズのキックミスを奪われゴール前まで持ち込まれる。ゴールポストとGKピックフォードのセーブに救われたが、これが異変の始まりだった。

     パスミスが続き、攻め込まれてボールも保持できない。リードを許し、しかも交代枠を使い切った後の延長後半10分過ぎには足を痛めたトリッピアーが倒れ込み、10人で戦うことに。劣勢を覆すのは難しかった。

     2016年9月に就任したサウスゲート監督は若手を積極的に起用し、3バックを導入するなど改革した。今大会もW杯経験者は5人、平均25・7歳と若い力で挑んで勝ち進んだ。昨年のU20(20歳以下)W杯で優勝するなど、今後楽しみな若手も育っている。

     「この経験は、今後大きな強みになっていく。もっと進歩していける」と指揮官。試合後に流した涙、感じた悔しさは、サッカーの母国を復活させるはずだ。【丹下友紀子】

    若き主将、ケーン散る

    【クロアチア-イングランド】前半、シュートを狙うもオフサイドの判定で悔しがるイングランドのケーン=ロシア・モスクワのルジニキ競技場で2018年7月11日、長谷川直亮撮影

     24歳でイングランドの主将を務めるケーン。逆転負けで決勝までわずかに届かず「悔しい。でも全力で戦った」。試合後はすがすがしさも漂わせた。

     相手の厳しいマークに遭い、ゴール前でたたきつけたヘディングは左へ外れるなど、少ないチャンスで放った2本のシュートも枠を捉えられなかった。得点王争いのトップに立っているが、準々決勝のスウェーデン戦に続いて足踏みした。

     試合終了直後は、しばらくピッチに座り込んでいたが、主将として仲間たちに「誇りに思おう」と呼びかけた。自身をはじめ若い選手が多いチームだ。アイスランドに敗れて16強に終わった2年前の欧州選手権から、長い道のりを歩んでここまでたどりついたのだから。

     「チームとして素晴らしい経験を得た。今後への基礎を築くことができた」と胸を張ったケーン。3位決定戦は1次リーグで同組だったベルギーとの再戦となった。誇りを胸に戦い、勝利を持ち帰る。【大島祥平】

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