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余録

縄文時代以前の遺跡には…

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 縄文時代以前の遺跡には洪水の跡がほとんどないという。洪水に襲われたのは稲作が始まり、水の得やすい土地に住み始めた弥生時代以降の遺跡という。だが弥生人も洪水の脅威に立ちすくんでいたのではない▲大阪の八尾(やお)南(みなみ)遺跡は洪水で砂に埋まったが、その竪穴(たてあな)建物跡には土器など生活用品が見当たらなかった。そればかりか建物の柱や屋根の跡もなかった。どうやら洪水の直前に、家財ばかりか柱などの上屋まで運び去って避難したのだ▲文化庁編「日本人は大災害をどう乗り越えたのか」(朝日選書)にある話だが、洪水をみごと逃れた弥生人の「予知力」と「避難力」、おそるべしである。異常気象がかつてない災害をもたらす今日、あらためて問われる二つの「力」だ▲「数十年に1度」は異例のことだが、それが11府県の広域で発生するといえば途方もない異常事態である。そんな大雨特別警報が出され、それによる自治体の避難指示も発令されたが、多数の犠牲者を防げなかった西日本豪雨だった▲「特別警報が出た時は被害が出ていた」「川が氾濫(はんらん)してから避難指示が出た」「夜間の避難指示で避難できなかった」。被災地では警報や避難指示への不満が聞かれる一方、指示に従えぬまま家にとどまって被災した高齢者も多かった▲温暖化による気象災害の新たなステージの始まりを示すともいわれる今回の豪雨である。政府、自治体、地域、個々人それぞれに、「予知力」と「避難力」とを高める新たな取り組みが求められていよう。

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