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余録

大正時代の「米騒動」は富山県から始まった…

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 大正時代の「米騒動」は富山県から始まった。1918(大正7)年7月、魚津(うおづ)港に漁師の妻らが集まり、輸送船へのコメの積み出し中止を求めたことなどがきっかけで、暴動を伴う騒動が全国に広がった▲富山での騒動の主役は、米価高騰の窮状を訴える女性たちだった。地元紙の「高岡新報」は「女房連は海岸に集合し其(その)数百七、八十名」「米の廉売を為(な)されたしと哀願し」などと報じている▲ときの寺内正毅内閣の総辞職にまで発展した事件から、今年は100年にあたる。魚津市は専用ロゴマークを作り、講演会や資料展示などの記念事業に取り組んでいる▲市の一連の事業には「暴動の地」という印象を払拭(ふっしょく)したい思いもこめられている。魚津歴史民俗博物館の麻柄(まがら)一志館長(63)によると、魚津での抗議行動は非暴力的なものだった。死者まで出た全国各地の騒動と異なり、逮捕者もいなかったという。「暴動の震源地だと誤解されがちです」と残念がる▲当時は第一次大戦による好景気だったが、庶民には実感が乏しく、社会には格差が広がっていた。騒動に参加した人たちに聞き取り調査を続けた地元の研究家、紙谷信雄さん(84)は「家族を守る一心からの行動だったのでしょう」と女性たちの心情を思いやる▲米騒動は普通選挙運動など、大正デモクラシーに大きな影響を与えた。折しも今年、国会や地方議会で女性議員を増やすことを目指す法律が成立した。女性が政治を動かしてから100年、新たな節目となるだろうか。

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