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橋爪大三郎・評 『国体論 菊と星条旗』=白井聡・著

 (集英社新書・1015円)

 国体をカギにすれば、戦前の破滅はもちろん、戦後の日本の閉塞(へいそく)も解明できる。この大胆な仮説で、平成日本の病巣をえぐり出す、いま注目の一冊だ。

 戦前の国体とは何か。《天皇を中心とする政治秩序》にすぎないはずが、天皇の国民→天皇なき国民→国民の天皇、の三段階を経て、《神権政治的…な「専制君主制国家」》に膨らんだ。天皇は国民を愛しているから、国民は天皇に尽くせ。この「国民の天皇」観が二・二六事件の前提だ。「君側の奸(かん)」を除けば天皇と国民の絆が回復するという幻想だ。それに悪乗りし軍部が戦争に突き進んだ。

 戦後の国体とは何か。天皇は主権を失い、マッカーサーが君臨した。アメリカが《天皇を通じて主権を行使する》のが「天皇制民主主義」の内実だった。《国体は変更されたと同時に護持された》。こうした奇妙な戦後への苛立(いらだ)ちを、著者は、丸山眞男や吉本隆明や三島由紀夫の言動のなかに探っていく。

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