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緊急報告

数十年に1度の重大な災害の切迫を意味する大雨特別警報が8府県に発表された6日から、13日で1週間。被害が特に甚大だった広島、岡山、愛媛の被災地の現状と浮かんだ課題を緊急報告する。

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西日本豪雨/下 愛媛・西予肱川が氾濫 ダム放流、人災の声

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豪雨の後、濁った水を蓄えた野村ダム=愛媛県西予市で2018年7月12日、本社ヘリから加古信志撮影
豪雨の後、濁った水を蓄えた野村ダム=愛媛県西予市で2018年7月12日、本社ヘリから加古信志撮影

 「戸が開かん」。途切れ途切れの電話の声は、不安そうだった。「そっちに行くけんね!」。愛媛県西予市野村町地区の小玉和矢さん(33)は、7日午前6時半ごろ、近くの祖母、ユリ子さん(81)に告げた。それが、最後の会話になった。

 この日朝、同地区中心部を流れる肱(ひじ)川(かわ)があふれ、ユリ子さんら59~82歳の男女5人が死亡、約650戸が浸水した。複数の住民によると、午前6時半ごろから川は一気に増水。津波のような濁流が押し寄せ、同7時半ごろには住宅の屋根まで水が及んだ。

 気象庁によると、このときまでの24時間雨量は同市で観測史上最大の347ミリ。約3キロ上流の野村ダム(総貯水容量1600万立方メートル)は、午前6時20分から、緊急的に流入量とほぼ同量を放流する「異常洪水時防災操作」を開始。その水量は、直前の毎秒250立方メートルから一時、最大7倍近くに達した。

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