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工藤 美代子・評『ゴッホのあしあと』原田マハ・著

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一度は封印した画家に再び興味を惹かれてしまった

◆『ゴッホのあしあと 日本に憧れ続けた画家の生涯』原田マハ・著(幻冬舎新書/税別760円)

 子供の頃から思っていた。良い小説を読んだ時は、こころにひたひたと感動が訪れる。良い絵を見た時は、ドカンと頭を叩(たた)かれたような気がする。「ひたひた」と「ドカン」の違いはどこにあるのだろうと。

 多分、絵の方が速攻で直接的だ。小説はいつまでも後を引く、文章を何度も胸の中で転がす。絵には、そんな余裕はもらえない。いきなり神経を刺激される。

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