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社説

トランプ時代の日欧関係 保護主義を排する基盤に

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 トランプ米政権の保護主義に対抗する大きな基盤となろう。

 日本と欧州連合(EU)が経済連携協定(EPA)に署名した。発効すれば世界の国内総生産(GDP)の約3割、貿易量の約4割を占める巨大な自由貿易圏が誕生する。

 輸入にかかる関税を撤廃、削減し、知的財産保護などで共通のルールを定めるのが経済連携協定だ。貿易や投資を活発にする狙いがある。

 日EU間ではチーズやワイン、自動車など9割超の品目で関税が撤廃され、モノを買いやすくなる。経済成長を促し、企業や消費者の恩恵につながることを期待したい。

 今回の協定が何より重要なのは、自由貿易の拡大という強いメッセージを日欧が世界に発信したことだ。

 日米欧は戦後の自由経済体制を謳歌(おうか)してきた。その一角の米国が保護主義を強め、戦後秩序が揺らぐ現実を世界は目の当たりにしている。

 米国は鉄鋼など中国を標的とした輸入制限で日本やEUも対象にし、知的財産権を巡って中国との貿易戦争に突入した。日欧を直撃する自動車の関税引き上げも検討している。もはや米国は世界経済の脅威だ。

 自由貿易の価値を強調し、多国間ルールに基づく世界秩序を堅持する。日EUの協定は保護主義を排除する明確な意思表示といえる。

 日欧はもともと緊密な関係にあったわけではない。2013年に開始した日EUの協定交渉は利害対立からしばらく難航した。

 それが加速したのは昨年、トランプ政権が発足してからだ。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)離脱など「米国第一」の通商政策を打ち出したことへの危機感がある。

 連携は経済を超えて広がっている。トランプ政権が離脱表明した地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」やイラン核合意でも急接近した。

 今回、安全保障を含む戦略的パートナーシップ協定にも署名した。不安定な国際情勢下で日欧関係の重みが一段と増している表れだろう。

 日欧はそれぞれ中国との貿易強化にも動いている。中国が入る東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉は年内合意を目指し、中国・EU間の投資協定も締結を急ぐ。

 トランプ大統領は保護主義が孤立化を招く現実を直視すべきだ。

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