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「新芸」とその時代

(43)ソ連の仕事Ⅵ 伝説のピアニスト・リヒテル①

飛行機嫌いで、ソ連のナホトカから船に乗って大阪港に到着したリヒテル=1970年8月31日

「争奪戦」の構図

 海外から続々と著名な演奏家や団体が来日していた1960年代、ウラディミール・ホロヴィッツ、マリア・カラスとともに「難攻不落トリオ」と呼ばれ、興行師らが虎視眈々(たんたん)と招請のチャンスを狙っていたのが、ソ連のピアニスト、スヴャトスラフ・リヒテル(15~97年)であった。1970年に初来日し、大阪万博の「クラシック催物シリーズ」に出演。その後東京などでも演奏会を開き、リヒテル旋風を巻き起こした。

 リヒテルはジトミル(現ウクライナ領)生まれ。ドイツ人の父テオフィルはウィーンで音楽教育を受け、オデ…

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