西日本豪雨
ダム放流、流域疑念 愛媛・肱川氾濫、切迫感めぐり溝 検証開始
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記録的な豪雨でダムの大規模な放流後に肱川(ひじかわ)が氾濫し、住宅の浸水被害や死者が出た愛媛県。流域の同県大洲市や西予市では「放流は適切だったのか」「もっと早く逃げられたのでは」との疑念が渦巻く。批判は根強く、専門家が加わった国土交通省の検証が19日、始まった。
鹿野川(かのがわ)ダムの放流後に約4600世帯が浸水し、大洲市内では4人が死亡。愛媛大の鈴木幸一名誉教授(河川工学)と同大大学院の森脇亮教授(防災情報)は肱川の堤防を視察した。上流側の野村ダムのある西予市でも被害が生じ、二つのダムを検証するためだ。
7日朝、流域は緊迫していた。「あっという間に水かさが増した」と大洲市肱川町名荷谷の飲食店店主、岩田良一さん(60)は振り返る。サイレンで高台に避難したが、30分もしないうちに川があふれ出した。「二つのダムを放流したら危険なのは分かるはず。これは人災だ」と憤る。
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