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「そうか。これだったか」。夏の初め、東武電車のつり革につかまりながら合点がいった。目にした車内広告は観光地・日光(栃木県)でも人気の「天然氷のかき氷」。そのフレーズで2年前、横浜市鶴見区の川上和明さん(70)から寄せられた「懐かしのかき氷」を思い出したのだ。「学生時代、埼玉県秩父地方をドライブ中に食べたかき氷。羽毛のようにフワッと軽く、頭にキーンとこない。あの食感が今も忘れられない」
「かき氷かあ。探し物としてはどうなんだろ?」。はがきを受け取ったとき、それが正直な感想だった。食材としてはありふれている気がしたのだ。だが、それが「天然氷」だったとすれば--。かつて毎日新聞秩父通信部にいたOB記者に聞くと「皆野町の阿左美冷蔵が昔ながらの天然氷を作っている。そこのかき氷は頭にキーンとこないということで有名だった」。川上さんが食べたのも、天然氷だったのかもしれない。
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