メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

池内紀・評 『線量計と奥の細道』=ドリアン助川・著

 (幻戯書房・2376円)

私たちはなにを学んだのか

 貴重な記録である。東日本大震災の翌年、二〇一二年八月のことだが、ドリアン助川は、こつこつ勉強していた松尾芭蕉の『奥の細道』を実地にたどってみようと思い立った。「細道」のコースの多くは大震災の被災地とかさなっている。

 おりしもへんな状況が生じていた。大震災にともなう原発事故で甚大な被害を受けた福島県をめぐり、「どういうわけか忘却が起きた」。深刻な事態は急速に解決に向かっており、除染がすすめば、避難先の人も町に戻ってくる。農産物の風評被害もいずれ収束する。復興五輪こそ「美しい日本」にふさわしい--。

 ことあるごとに美文調で詩的に見たがる芭蕉には、何事にもリアリストの曽良がつきそっていたように、平成…

この記事は有料記事です。

残り1139文字(全文1465文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 車のトランクに男性閉じ込め、監禁容疑で少年ら7人逮捕 男性は死亡 滋賀県警

  2. 平成の事件ジャーナリズム史 (2)綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件 メディアと被害者との溝、一挙に可視化

  3. モロッコ人の30歳女、結婚拒否され恋人殺害 その肉で伝統料理ふるまう UAE

  4. キャバクラ暴行死 10代母、なぜこんな目に 全公判傍聴

  5. ORICON NEWS 15歳美少女4人組「@ onefive」“正体”判明 顔見せビジュアル&MV一斉公開

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです