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内田麻理香・評 『どもる体』=伊藤亜紗・著

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 (医学書院・2160円)

身体を観察し直す新たなメガネ提供

 成人の百人にひとりが持つという吃音(きつおん)。これだけ多くの人が抱えているのに、吃音は発症の原因がわからず、そもそも治るか治らないかの議論があるなど、難しい障害であるという。本書は、当事者の語りと分析を通じて、世の中であまり知られていない吃音を明らかにする。

 なぜ、タイトルが『どもる言葉』ではなく『どもる体』なのか。本書は吃音を体のコントロールを外れた現象としてとらえるためだ。著者は当事者たちが抱える苦労や不安を軽んじるつもりはないと述べつつ、「自分のものでありながら自分のものでない体」をたずさえて生きることは、誰にとっても切実な問いだという。確かに、当事者でない私にとっても、身につまされるように感じる本である。

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