メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

大阪北部地震

68%が出社不要 関西企業60社アンケ 

大阪北部地震の直後、従業員に「出社しなくてよい」と指示した企業

 先月18日朝に発生した大阪北部地震の直後の対応について、毎日新聞が関西に拠点を置く主要企業60社にアンケートしたところ、回答企業の68%が従業員に「出社しなくてよい」という趣旨の指示をしていた。東日本大震災では帰宅困難者が問題化しており、災害時の従業員の出勤に関して企業が柔軟な姿勢に傾いている実態が浮かび上がった。

 アンケートは6月下旬から7月上旬にかけ、メーカーや金融機関、小売業など60社に要請し、57社から回答を得た。最大震度6弱だった大阪北部地震は午前7時58分ごろに起き、多くの企業で従業員が出勤する時間帯と重なった。関西の鉄道は直後から軒並み運転を見合わせた。

 地震発生直後、従業員に「出社しなくてよい」と指示したのは39社。「公共交通機関の運行が停止していた」(江崎グリコ)のように通勤手段の不通を理由に挙げる企業が目立った。「社員の安全確保を第一とし、帰宅困難者になるのを避けた」(東洋紡)、「余震に警戒した」(新日鉄住金)といった従業員らの安全を優先したとする回答もあった。

 一方、ライフラインを担う企業は災害時も事業を継続する必要があり、対応に苦慮した。JR西日本も出社を求めない姿勢を基本としたが、一定の役割がある社員には対策本部への参集を求め、それ以外の社員にも最寄りの駅で業務を応援するように求めた。スーパーを展開する平和堂は「可能な状況であれば」と条件を付けて出勤を要請。「食料品を取り扱う小売業は地域住民の生活基盤。できる限り店舗を営業するのは当然」だと回答した。【釣田祐喜】

96%がマニュアル整備済み

 大阪北部地震後の対応を主要企業に尋ねた毎日新聞のアンケートでは、回答企業の96%(55社)が地震発生時の初動対応を定めたマニュアルを用意していた。一定の役割を果たしたとする回答が多かったが、教訓として従業員への周知不足や過度にマニュアルを頼る傾向を挙げる企業もあった。

新淀川大橋を徒歩で渡って帰宅する人たち=大阪市で2018年6月18日午後6時半、山崎一輝撮影

 マニュアルの項目として、従業員の安否や、建物などの被害状況を確認する手順が役に立ったと多くの企業が回答した。安否確認で日本電産は「4月に訓練を行い、報告・集計作業を滞りなく実施できた」と回答。大手ゼネコンの大林組は「施工中の現場の2次被害防止や施工物件の被害確認」などに役立ったとした。

 地震直後に従業員と連絡を取った通信手段では、無料通信アプリ「LINE(ライン)」などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や、企業向けメッセージアプリを活用した企業が35%に達した。

 地震発生時の初動対応を定めたマニュアルがなかった企業も「火災のマニュアルはあった。地震についても早急に策定して訓練も実施する」と回答した。ほとんどの企業がマニュアルを用意していたことが判明し、東日本大震災などを経て初動対応の重要性が浸透している実態をうかがわせた。西日本豪雨のような想定しにくい災害への備えも今後の課題になりそうだ。

 今回の地震で、マニュアルの課題が表面化した企業もあった。日立造船はマニュアルを把握していない従業員がいたと分かり、周知を課題に挙げた。大地震発生後の行動指針を記したカードを全従業員に配布している武田薬品工業は、想定外の状況も起こりえるとして過度のマニュアル依存を危険視する。今回の地震の数日後には危機管理に関する講座を社内で開き、柔軟な判断力を持つように呼び掛けたという。【釣田祐喜】

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. アジア大会 ボランティアに破格の報酬 18日夜開会式
  2. 兵庫・ダム遺体 大阪の男2人逮捕 死体遺棄容疑
  3. 新商品 シーチキンとコンビーフが一つに 20日発売
  4. 夏の高校野球 日大三7年ぶりベスト4 下関国際を逆転
  5. 遺品整理 高額な追加料金、勝手に処分 トラブルにご用心

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです