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武田 砂鉄・評『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』

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日々の生活の隙間に思わぬ温かみが染みる

◆『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』阿佐ヶ谷姉妹・著(幻冬舎/税別1200円)

 血が繋(つな)がっているわけではない、顔が似ていることを主な理由に組まれたコンビ・阿佐ヶ谷姉妹。姉・渡辺江里子と妹・木村美穂は長年、阿佐ヶ谷にある六畳一間のアパートで同居してきた。その暮らしを綴(つづ)った一冊に積み重なるエピソードは、ひたすら地味だ。地味と地味がかけ合わされば派手になるかと思いきや、ずっと地味だ。テレビ番組でいうならば、ここでCMを挟んで、続きに期待させようとする展開は皆無。それなのに、あっという間に読み終える。

 贅沢(ぜいたく)といえば、ラベンダーの石鹸(せっけん)432円をたまに買う事。ほうじ茶は美味(おい)しいという話で10分15分話し合う。それぞれ別々に行った整骨院で隣り合ってしまう。仕事でも家でも一緒だから、「エリコ過多」になると、みほさんは駅前の西友に行く。エリコさんはイトーヨーカドー派。揉(も)め事といえば、お弁当を留めてあった輪ゴムがコタツの下に落ちていたとか、六畳一間なのにシングルからい…

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