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SUNDAY LIBRARY

木村 衣有子・評『ほろ酔い天国』坂口安吾ほか・著

◆『ほろ酔い天国』坂口安吾他・著(河出書房新社/税別1600円)

 『のんべえ春秋』というお酒ミニコミの編集発行人をつとめてもう6年になる私。編集上のモットーは「酔った上での武勇伝を競うわけでもなく、たしなむ程度と腰が引けてもいない、ちょうどいい塩梅(あんばい)を目指しています」というもの。

 このお酒にまつわる41編のエッセー選集のタイトルを目にして、私が自分のミニコミで目指しているのは「ほろ酔い」よりも、もう1、2杯は余計に飲んだところだなあと思う。ただ、めくってみると、ほろ酔いばかりではなく、泥酔あり、記憶喪失酒あり、腰引け酒あり、とりどりの酔態が収録されている。少し昔の話が主で、そういうお酒エッセーといえば定番である、内田百ケン、吉田健一、山口瞳、吉行淳之介、田村隆一、田中小実昌らの名が目次には並ぶ。

 下戸の人にはあまり理解されないことなのだが、同じのんべえであっても、その性向はいろいろだ。ただ酔えればいいというものではなくて、居心地よく酔いたいのだ。41人もの酒卓をまわってみると、真にくつろげる場面というものは実はとても限られていることが分かる。飲む頃合い、向かい合う人、腰を落ち着ける場所、それが揃(そろ)ってからやっとお酒の味についてあれやこれや言い出す余裕が生じる。そこは他の嗜好(しこう…

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