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幻の科学技術立国

「科学技術創造立国」を目指してきた日本は、中国など新興国が急速に台頭してくる中で存在感を失いつつあります。現場を歩きながら衰退の原因を探り、再生の道を考えます。

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幻の科学技術立国

第2部 源流を探る/1 政策の歴史をひもとく 「カネだ」予算増でも誤算 基本法「生みの親」も嘆き

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科学技術への政府の投資目標と実績
科学技術への政府の投資目標と実績

 <科学の森>

 連載第1部では、ここ20年ほどのさまざまな「改革」の下で、学術論文の発表数が中国やドイツに抜かれるなど、存在感を失いつつある日本の研究現場をルポした。こうした衰退はなぜ起きたのか。第2部では科学技術政策の歴史をひもとき、その源流を探る。

 「わが国の科学技術は危機的状況にある。現状を放置すれば、世界の一流国から三流国に成り下がってしまう」

 2016年4月、山中伸弥・京都大教授ら5人のノーベル賞受賞者や榊原定征・経団連会長(当時)ら経済界のトップと共に首相官邸を訪れた尾身幸次・元科学技術政策担当相が険しい表情で安倍晋三首相と向き合っていた。尾身氏は4兆円規模の政府の科学技術予算を8000億~9000億円増額するよう求めた。安倍首相は「要望はよく分かりました。しっかりやります」と応えた。

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