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西日本豪雨

不法投棄の土砂が崩れ、住宅目前に 京都伏見

不法投棄などで土砂崩れの原因となった造成地

崩落防止の工事中に豪雨

 京都市伏見区の大岩山(標高189メートル)の南側斜面で、不法投棄や無許可造成を理由に崩落防止の工事中だった土砂が、今月5~7日の西日本豪雨で崩れ、ふもとの農業用ため池を埋め尽くしたことが25日、関係者への取材で分かった。ため池の10メートルほど下からは住宅街。市の指導で業者による工事は再開され、ため池の土砂も撤去される計画だが、作業の完了期は未定。住民は台風シーズンを前に不安を募らせている。

 土砂崩れは豪雨後の今月8日ごろ、住民が気付いた。山頂付近から樹木や竹林をなぎ倒して沢筋を約400メートル下まで流れ落ち、ため池(縦27メートル、横15メートル、容量600立方メートル)にたまって、せき止められていた。約10メートル下には民家があり、その近くには幼稚園もある。

 市などによると、今年1月、「大量の土砂が不法投棄された」と住民が通報。市の調査で、残土がダンプカーで不法投棄されていた。土地を所有する企業が無許可で山頂を造成していたことも発覚。市は崩落を防ぐため、急傾斜で盛られた土砂の傾斜を30度以下に是正するよう対策を指導した。3月中旬に崩落防止工事は始まったが、工期を示す計画書も提出されず、工事が進まない中で土砂崩れが発生したという。

 崩落後に防止工事は再開されたが、工期は未設定のまま。ため池にある土砂の撤去工事も、今月18日から2週間程度とされた工期の半分を経過したが、未着手の状態だ。住民らは「次に土砂が家まで押し寄せたらと思うと眠れない」と話す。

 対策工事が進まない背景には「業者の自主是正が基本」とする市の姿勢がある。自然の山肌が崩れた土砂災害なら、京都府などが住民の安全確保策を早急に取る。しかし今回は、民間業者の不法投棄などが主な原因で崩落が発生しており、市は「業者に対策を取らせる」との立場を崩していない。指導するだけで対応は基本的に業者に委ねており、住民の安全が確保されない状況が続いている。

 市は土砂崩れ発生の前も後も、崩落防止の工期を指定して来なかったが、担当課は毎日新聞の取材を受けた後、「工事の促進に向けて今後、期限を定める」と方針を転換している。

 崩落防止工事を請け負う業者は毎日新聞の取材に「不法投棄は別の企業が主導したもので、土地の所有企業は損害賠償訴訟を検討している。住民が不安なのは分かるが、工事には時間も費用もかかり、地道に進めていく」と話している。【飼手勇介、大東祐紀】

法規制も含め抜本的な制度改革が必要

 京都大防災研究所・釜井俊孝教授(応用地質学)の話 同様の土砂崩れは、過去にも大津市や大阪府豊能町など各地で発生し、昨年の台風21号の際は同府岸和田市で被害が出た。工事残土の不法投棄や不正な盛り土は後を絶たず、法規制も含め抜本的な制度改革が必要だ。

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