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西日本豪雨

台風接近「頭上に爆弾」 不法投棄土砂に不安

投棄や無許可造成で生じた土砂が崩れた現場を示す住民男性。なぎ倒された木が残っていた=京都市伏見区小栗栖石川町で2018年7月24日、飼手勇介撮影

 投棄や無許可造成で崩落防止工事中だった土砂が西日本豪雨で崩れ、住宅街に迫った京都市伏見区の大岩山のふもとでは、住民たちが次の豪雨への不安を募らせている。26日には市議会委員会でも取り上げられ、市も台風12号に備えて緊急会議を開催。今週中に専門家に現地を調査をしてもらい、住民の避難計画をまとめるという。だが、防止工事をする業者からも市からも、経緯や対策について住民にまともな説明はなく、不信感も根強い。

 「頭の上に爆弾があるようなもの。1分でも早く対策を取ってほしい」。夫と中学生の長女と暮らす中村美樹さん(50)は地肌がむき出しの山頂を不安そうに見つめる。土砂は住宅地の10メートルほど上にある農業用ため池を埋め尽くして止まったが、近くに幼稚園もある。小栗栖自治会(40世帯)の西村嗣子会長(81)は「自分は避難しなかったが、これほど崩れるとは。今回は命拾いしたが、いつ次の土砂崩れが起きるか分からない」とこぼす。

 市は今年1月、住民からの通報を受けた調査で違法な盛り土を確認し、業者に崩落防止工事を指導したが、住民には何の説明もなかった。崩落防止工事でも大量の土砂が運び込まれてきたが、住民たちは「まだ不法投棄が続いているのか」と思っていた。西村さんは「何が起きているのか分からず、いら立たしかった」と振り返る。

 今後の避難のあり方についても、市は25日まで「住民が自主的に」と回答するなど鈍かった。市防災危機管理室は26日になって「土砂が堆積(たいせき)し、崩れる危険は高まっている。避難勧告などを出す基準を現状より引き上げなければならない。早急に現地を調査する」としたが、自治会の男性(75)は「(毎日新聞などの)報道を受け、ようやく重い腰を上げた」と話した。

 26日には京都大防災研究所・斜面災害研究センターの釜井俊孝教授が毎日新聞の依頼で現地を調査。土砂にはコンクリート片やレンガ、塩化ビニール製のパイプなどが多く含まれ、「山頂に産廃があったのだろう」と指摘した。一方、広島県などの被災地と比べ、巨岩がない地層が幸いしたとの見方を示し、「巨岩が多ければ、土砂は住宅街まで流れただろう」と語った。

 また、土砂を食い止めたため池について「住民の命を救った。各地で子供が落ちて危ないなどの理由で減っているが、構造上の安全を確認し、しっかり残していくことが重要」とも述べた。【飼手勇介、国本ようこ】

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