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社説

辺野古埋め立て工事 知事選を待った方がよい

 米軍普天間飛行場の移設問題は再び国と沖縄県の法廷闘争に発展する見通しとなった。

 沖縄県の翁長雄志知事が名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回すると表明したからだ。

 国側は埋め立て海域を囲う護岸工事を進めており、実際に埋め立てるための土砂の投入を8月17日にも始めると県側に通知している。

 撤回によっていったん工事は止まるが、国側は裁判所に撤回の執行停止を申し立てるなどの対抗措置をとる構えで、撤回の効力は一時的なものになりそうだ。

 そもそも埋め立て承認は仲井真弘多前知事が2013年に行ったものだ。14年の知事選で仲井真氏を破った翁長氏が承認を取り消したが、16年の最高裁判決で承認取り消しは違法とされた経緯がある。

 撤回が裁判で認められる勝算があるとはいえず、県庁内にも消極論がくすぶっていた。それでも翁長氏が撤回に踏み切る決断をしたことは、11月の知事選を前に移設反対派の置かれた苦しい状況を物語る。

 政府は土砂投入によって埋め立ての既成事実化を進め、移設阻止を掲げる翁長氏を支持してきた側のあきらめムードを誘いたいのだろう。

 翁長氏自身が健康不安を抱え、移設反対派の知事選候補が定まらない中、土砂投入の開始を遅らせることで求心力を保つ狙いもあるようだ。

 知事選前に工事を再開するかどうか、国側も難しい判断を迫られる。強引に進めれば県民の反発を招き、自民、公明両党の支援する候補に不利に働くかもしれない。

 普天間飛行場の危険性は誰の目にも明らかなのに、辺野古への移設をめぐって国と県の関係がここまでこじれた原因は安倍政権の強権的な姿勢にあるといわなければならない。

 4年前の知事選で示された民意と向き合うどころか、移設反対派を抑えつけ、県との対立をエスカレートさせてきた。今年2月の名護市長選では現職を落選させるため、補助金を使って住民の分断をあおった。

 こうした政権側の姿勢を翁長氏は「傍若無人」と批判している。

 分断と対立をできる限りなくすのが政府の務めではないか。そのためには知事選の結果を待ったうえで土砂投入の是非を判断した方がよい。

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