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村上春樹氏

寄稿 胸の中の鈍いおもり 事件終わっていない オウム13人死刑執行

地下鉄築地駅から地上に出て倒れたサリン中毒症の乗客を救助する救急隊員=東京都中央区築地で1995年3月20日、本社ヘリから山下浩一撮影

 オウム真理教の元幹部ら13人の死刑が今月執行されたのを受け、作家の村上春樹さん(69)が毎日新聞に文章を寄せた。1995年の地下鉄サリン事件に衝撃を受けた村上さんは、被害者や遺族へのインタビューを著作にまとめ、裁判の傍聴を重ねるなど、深い関心を寄せ続けてきた。「胸の中の鈍いおもり」と題する寄稿で、刑の執行への複雑な思い、裁判での印象、残された課題について率直につづっている。

 七月二十六日に、七月六日に続いて二度目の死刑執行が一斉におこなわれ、これで死刑判決を受けた元オウム真理教信者の十三人、すべてが処刑されたことになる。実にあっという間のできごとだった。

 一般的なことをいえば、僕は死刑制度そのものに反対する立場をとっている。人を殺すのは重い罪だし、当然その罪は償われなくてはならない。しかし人が人を殺すのと、体制=制度が人を殺すのとでは、その意味あいは根本的に異なってくるはずだ。そして死が究極の償いの形であるという考え方は、世界的な視野から見て、もはやコンセンサスでなくなりつつある。また冤罪(えんざい)事件の数の驚くべき多さは、現今の司法システムが…

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