(晶文社・2700円)
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の大ヒットに見られるような、昭和ノスタルジーはいかに形成されたのか。本書は、マンガ『三丁目の夕日』の連載が開始された一九七四年から、映画が公開された二〇〇五年までの三十二年間に、昭和の愛好がどのように変化し、個人的なものが社会的なものへと育っていったかを、丹念に読み解いた労作である。
昭和ノスタルジーは、世代によって、いくつもの曲線が複雑に交差しながら作られていった。本書が提示するキーワードは、「ニューノスタルジー」、「アナクロ」、そしてとりわけ「キープオン」である。著者によるこの「キープオン」という造語は、過去のコンテンツをいまだに面白がるという態度で、「いま」を楽しむための素材として過去があるという著者の基本的な立場をよく表した言葉だ。
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