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社説

NHKのネット同時配信 受信料の議論を煮詰めよ

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 インターネット時代における、公共放送をどう考えるべきか。丁寧な議論が欠かせない。

 NHKが放送中のテレビ番組をネットにも同時に配信する「常時同時配信」を容認する報告書案を、総務省の検討会がまとめた。NHKは来年度の開始を目指している。

 現在は、災害報道やスポーツ中継に限って同時配信が可能だが、すべての番組を24時間配信するためには、放送法の改正が必要だ。

 ネットやスマートフォンの普及で、NHKには若年層を中心とした「テレビ離れ」への危機感がある。同時配信は新たな視聴者獲得の意味合いが強い。

 スマホがあればどこでもテレビ番組が見られるようになるのは、確かに便利だ。英BBCなど欧米でも同時配信はすでに実施されている。

 とはいえ、受信料の制度設計が不透明なままではいけない。NHKは当面、テレビで受信料を払っている世帯へのサービスとして、追加負担なしで利用可能にする考えだ。

 受信料収入は4年連続で過去最高を更新しているが、人口減でいずれは減少に転じる。将来的には公平負担の考えから、パソコンやスマホでテレビ放送と同じ番組をリアルタイムに視聴する世帯も、受信料を請求される可能性は高い。

 NHKは今年末に超高精細映像の4K・8Kの実用放送を始める。受信料制度で支えられているNHKの事業拡大で、民放との公正な競争が維持できるのだろうか。

 NHKを巡っては、受信料着服などの不祥事も続いた。報告書案が、他事業者との連携やガバナンス(組織統治)の強化、受信料体系や水準の見直しを求めているのは当然だ。

 放送法はNHKの目的を、公共の福祉のために、あまねく全国で受信できるように豊かで良い番組を放送することとしている。

 偏った情報やフェイクニュースが多いネット上で、公共放送はどんな役割を果たすべきか。議論を深め、国民や視聴者に説明すべきだ。

 総務省はNHKの取り組みを見定めたうえで、来年の通常国会に放送法改正案を提出する方向だ。

 2020年の東京五輪・パラリンピックありきで実施を急ぐようでは、理解は得られまい。

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